SHORT Essay
ショートエッセイ
空想旅行のすゝめ 09 “空想旅行”
頭の中はとっても広いから、旅に出よう
第二弾は旅をテーマにしました。
今はコロナで、旅に出ることはできません。
でももしできるならどこに行きたい?何をしたい?
9回目は、いつだって僕がしている未来への旅行。
というか未来の日常。
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AM5時。
まだ妻は寝ている。
肩をやさしく揺らすと、「まだ寝る!」と言葉では言わないけれど、寝返りして”まだ寝る”サインをだす。
「やっぱりね。」
僕は言葉に出さずに笑い、それからそっとベッドから抜け出し、レモン水を飲んだあと、毎朝のルーティンであるビーチで散歩をする。
途中からだんだんのってきて少し走り出し、もっとのってきて全力ダッシュもして、そのノリで筋トレもする。
これも毎朝のルーティン。
そしていつものベンチで、いつもの曲を聞きながら、瞑想をする。
僕の人生の目的はなんだっけ?
どんな価値を創り出すんだっけ?
それができるとどんな理想的な未来になってるんだっけ?
じゃあ、そのためにはどんな行動をするんだっけ?
体も整い、心もの整い、だいたいいつも1時間くらいたってからホテルに戻る。
この時間になると妻も子どもたちも起きている。
そして妻が言う。
「あー、もう。今日も起きれなかったー。一緒にビーチ行きたいから、明日こそ起こしてね。」
僕は笑いながらこう返す。
「はーい。わかったわかった。」
たぶん明日も起きないだろう。
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今日は午前中から大きなイベントでの登壇がある。
日本とをつないだビジネスが評価され、表彰されることになった。
その表彰式で挨拶をする。
特別なスピーチを用意しているわけではない。
ふだんみんなに話していることをそのまま話す。
何を思って、何を目的に、だからこういう行動をした。
毎朝思い描いていることをそのまま話すだけだ。
少しだけおめかしして、イベントに向かう。
移動中にスタッフからの質問への返信をするけど、もう僕がいなくても問題ないから、基本的にはお任せする。
イベントへの登壇に集中できるから、こんな状態をつくりだしてくれるみんなに感謝だ。
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午後はオンラインミーティングが2つ入っている。
それぞれの日本のプロジェクトリーダーたちが、毎週のプロジェクトの進み具合と、どうすすめるかの相談をしてくる。
でもこれも僕が考えたって、みんなが考えたって一緒だから、基本的には現場を信じて任せるだけだ。
いつだって問題課題はあるけれど、それでもみんなそれぞれのプロジェクトに思いっきり向き合ってくれて、解決のため、そしてより良いサービスにするために動いている。
僕が口出す必要なんてないよね。
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夕方からは現地の友人家族と会食。
オーシャンビューで人気のレストランだ。
最近の会食ではアルコールはとらない。
でも今日は久しぶりに飲もうかな。
度数が軽めのビールを頼み、美味しい料理と楽しい演物を味わいながら、夜が更けていく。
早めから始めたから、ホテルに戻るのも早い。
やっぱり遅くならないあれくらいの時間から始めるのがいいな。
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夜は決まって読書だ。
そして明日はイベントがないから、午前中は執筆に費やす予定。
読書しながら湧いてきたアイデアを明日の執筆のためにメモしていく。
ぼちぼち寝よう。
今日関わったみんなの笑顔を思い浮かべながら、感謝の言葉を頭の中に思い浮かべ、今日というかけがいのない一日にも感謝しながら床につく。
寝る前、妻がまたこう言う。
「明日、絶対起こしてね。おやすみなさい。」
僕は笑いながらやさしく返す。
「はーい、起こすよ。おやすみ。」