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中小企業の経理は社長との戦いの日々
こんにちは、経理担当の竹中です。
中小企業で経理をしていると、日々の業務は数字を扱うことだけに留まらず、「社長との戦い」の連続です。もちろん敵対しているわけではありません(笑)。ただ、経理の仕事を進めるうえでどうしても社長に確認をお願いしなければならない案件が多く存在します。
請求書の内容確認や支払の可否、経費の妥当性判断、契約関連の最終承認…。経理の判断だけでは動かせない案件は多岐にわたり、最終的には社長の「OK!」の一言を待たなければなりません。しかし、そこに立ちはだかるのが「社長は常に多忙」という現実です。
社長はフルリモート、直接確認できない現実
ウェブエイトの場合、社長はフルリモート。オフィスに来る機会ほぼなく、気軽に「ちょっといいですか?」と声をかけて確認することはできません。
Zoomなどで定例会議はあるものの、その時間は他の議題で埋まってしまい、経理の確認事項を差し込む余裕はほとんどありません。結果、「確認できないまま日が過ぎる」という状況がしばしば起こります。
社長のスケジュールを邪魔せず、それでいて確実に承認を得る。これがつね日頃からの課題です。
Chatworkを活用した“粘り強い戦い方”
そこで頼りになるのが、ウェブエイトで日常的に使っているChatworkというチャットツールです。しかし、チャットで随時やり取りできる環境があっても、送ったメッセージにすぐ返信が来るとは限りません。社長の優先順位の上位に上がらなければ、既読スルー状態になることもしばしば。
そこで私が実践しているのが「段階的に強めていく依頼の流れ」です。
- まずは余裕を持って連絡。
「この件についてご確認をお願いします」と軽く依頼。 - しばらく返信がなければ、丁寧にリマインド。
「先日の件ですが、お手すきの際にご確認ください」と控えめに催促。 - さらに時間が経っても返答がなければ、もう一度依頼。
まだこの段階では“急かしている”印象を与えないよう注意。 - 納期が迫ってきたら、期限を明確に記載。
「本日中に対応が必要です」と書き添えることで、ようやく返信が来ることが多い。
この流れを踏むことで、社長も「そろそろやらなければ」と認識し、結果的に納期に間に合うことがほとんどです。
まさに“粘り強さ”が試される瞬間であり、経理の忍耐力が光る場面でもあります。
「社長に伝わる形」で依頼する工夫
とはいえ、ただ待っているだけでは効率が悪いので、依頼の仕方にも工夫を凝らしています。たとえば、
- 選択肢を提示する:「AとB、どちらにしますか?」と聞けば、判断が早い。
- 資料を添付する:確認の手間を最小限にし、すぐ判断できる環境を整える。
- 要点を簡潔にまとめる:「結論から言うと〜」と先に書くと、目を通してもらいやすい。
このような小さな工夫の積み重ねで、返信スピードは少しずつ改善されていきます。
経理の本音と葛藤
本音を言えば、「もっと早く決裁していただければ、全体の仕事がスムーズになるのに」と思うことは少なくありません。特に月末や締め日などは時間との戦いで、社長の返信が遅れると、経理の作業時間が圧迫されてしまいます。
しかし同時に、経理として理解している部分もあります。中小企業の社長は、経営判断から営業活動、資金調達、採用、広報まで実に幅広い業務を抱えています。その中で経理の案件が後回しになるのは、ある意味仕方のないことなのです。
だからこそ「経理が工夫して、社長が判断しやすい環境を整える」ことが大事だと感じています。
「戦い」とはコミュニケーションの積み重ね
経理の仕事は単に数字を扱うだけではなく、社内コミュニケーションの要素が非常に大きいと感じます。社長に確認を依頼し、返答を得るまでの流れが一種の「戦い」であり、その戦いの積み重ねが会社全体の業務をスムーズにする原動力になっているのです。
経理は「裏方」のイメージが強いですが、実際には社長とのやり取りを通じて会社の方向性に直結する判断に関わることも少なくありません。だからこそ、単なる事務処理ではなく、「どうすれば会社全体がよりスムーズに回るか」という視点で動くことが求められます。
これからも「社長との戦いの日々」は続くでしょう。おそらく、今日も明日も「ちょっとこの件、ご確認お願いします…!」とメッセージを送る、そして返信を待つ…。そんな小さな攻防戦の連続かもしれません。けれどそのやり取り一つひとつが、確実に会社を前に進める力になっている。そう思うと、この「社長との戦い」もなかなか悪くない。むしろちょっとしたゲーム感覚で楽しみながら、今日も経理というポジションで会社を支えていきたいと思います✊