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梅雨の風物詩
こんにちは、竹中です。
関東甲信越でも梅雨入りが発表され、じめじめした季節になりました。今回は、そんな中でそっと心をなごませてくれる小さな風物詩、ほたるについて──。
湿った空気に包まれた夜の川辺や田んぼのあぜ道、ふと目を凝らすと、闇の中にふんわりと灯る黄緑色の光。儚げで幻想的な光を放つその小さな存在は、まるで初夏の夜にだけ現れる小さな妖精のようです。
日本に生息するホタルは50種類ほどいると言われていますが、よく見られるホタルの代表的な2種類は「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」。その生態や光り方にはそれぞれ個性があるのをご存じでしょうか?
ゲンジボタル
主に本州で見られ、体長は1.5cm前後と比較的大きめです。
きれいな流れのある川に生息し、光りながら曲線的に飛び交う姿は、夜の川辺を幻想的に彩ります。発光間隔は約2秒ごとで、一定のリズムで点滅するように光ります。
オスは飛びながら光を放ち、メスは葉の上などにじっとして光を返すことで、お互いの居場所を知らせ合います。
ヘイケボタル
ゲンジボタルに比べやや小型で全国に広く分布しています。
水田や湿地のような止水地を好み、光の点滅はゲンジボタルよりも早く、約1秒に1回ほど。光の強さは控えめですが、チカチカとした細やかな点滅は、静かな田園風景とよく調和します。
ホタルの一生
どちらのホタルも、幼虫時代には水中でカワニナなどの巻貝を食べて成長し、成虫になるとおよそ1~2週間という短い命の間に光を放ち、命の営みを全うします。その一生のほとんどを水中で過ごし、地上に出てからは光って命をつなぐのみ──その姿には、自然の不思議と生命の尊さが感じられます。
ほたるを観にいってみませんか?
そんなホタルたちが織りなす幻想的な世界に触れられる「辰野ほたる祭り」が、松本市から車で50分ほどの辰野町で今年も開催中です。全国有数のホタルの名所として知られる松尾峡では、6月上旬から中旬にかけて数千匹のゲンジボタルが舞い、まさに“光の川”が現れます。会場周辺では地元の特産品や屋台も楽しめ、地域全体がほたる一色に染まります。週末のお出かけに、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
夜を静かに照らすほたるの光が、あなたの日常にやさしい余韻を残してくれるかもしれません。